仏女

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仏女(ぶつじょ)は、仏像などのように仏教的な事や物を好む女性を指す造語宗教的な意味をもつ呼称ではなく、社会現象の呼称である。

仏女は信徒であるか否かは関係なく、現代的な目線で仏教の世界観を感じたり、仏像の鑑賞を楽しんだり、座禅説法において癒やしを求めたりしている[1]

概要[編集]

2000年代後半、「働く女性」「頑張る女性」の癒やしの世界として仏教が注目された。そうした中、「仏女」という言葉は、2008年後半に生まれた「歴女」という言葉と同様の発想で誕生した[2]2009年春頃から、しばしばメディアで使われ始めた。

特徴[編集]

街中で開催される座禅会に参加したり、興福寺阿修羅像をこよなく愛したりと、仏女にも様々な嗜好があるが、一貫して入口は宗教的なものではないのが特徴。仏女となったその後、宗教的に入信する者も出ると思われるが、2009年現在、そのような話は見つかっていない。

事象[編集]

  • 金剛峯寺南海電鉄が毎年期間限定で開催している東京都渋谷区での「高野山カフェ」は、毎回大盛況で参加者の約9割が女性[3]。彼女達を、「仏女」と呼び始めたのが初出という説もある。
  • 2009年東京国立博物館九州国立博物館で開催された国宝阿修羅展には、多くの女性の来場があった。
  • 四国八十八箇所で、女性が目立つようになった。作家家田荘子のように、一人で巡拝する女性も多い。
  • ホテルに泊まるのではなく、敢えて宿坊に泊まる女性が増えている。
  • 僧侶等が講師となる「講座」には、60代以降の参加者が多かったが、最近は20代から40代の女性も目立つようになっている。

議論[編集]

興味だけで仏教に触れることを危惧する声もあるが、多くの仏教者は、仏教に親しむきっかけの一つとして、好意的にとらえている。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 白石知沙「若者で盛況!オシャレな「写経」イベントを体験」 (東京ウォーカー、2009年3月6日付)
  2. ^ 浜名恵子「アラサー・アラフォーの仏像女子、うっとり」 (読売新聞大手小町・とれたて!ミックスニュース、2009年9月26日付)
  3. ^ 女性人気!瞑想や写経ができる 「高野山カフェ」が大盛況 (東京ウォーカー、2009年9月4日付)