Wikipedia:削除された悪ふざけとナンセンス/宇宙多重創生論

宇宙多重創生論とは、ビッグバンモデルを補完するものとして提唱されているインフレーション宇宙論からの帰結として、真空の潜熱から生じる多重宇宙論の一つ。

概論[編集]

宇宙においてビッグバンを生じる機構としては、無であると考えられる真空からエネルギーの量子トンネル効果によって、エネルギーがある『3次元時空連続体(=4次元)』[1]において、一箇所に集まる。宇宙大の大きさのエネルギーが生じるためには、真空におけるエネルギー効果が必要である。真空におけるエネルギーが一箇所に集まる確率は、全宇宙に存在する質量をエネルギー換算し、かつまた、全宇宙における今のエネルギーを加算し、それをプランク距離レベルにて生じていると思われるエネルギーにて割った値に相当する。つまり、それだけ極小の確率によって、この宇宙は誕生したのである[2]。この時、その一箇所に集まったエネルギーは、量子トンネル効果によって、ある閾値を超えて一気に放出される。これが、ビッグバンである。

この同じプロセスは、ビッグバンを生じた宇宙においても同時に起こりえる。なぜならば、超統一状態にあった力(重力+弱い相互作用+強い相互作用+電磁力+真空の揺らぎ)が分離するプロセスにおいても、強い結合力にあった相互作用が、分離する際においてエントロピー増大のプロセスにおいて開放され、同じような量子トンネル効果を生み出すことによって、母体となる宇宙から小ビッグバンを起こし、新たな宇宙を生み出す機構のことである。

追加説明[編集]

宇宙多重創生論によれば、量子効果は多世界解釈となる。多重創生された宇宙は、それぞれ別々の因果律によって、別れることになる。なぜならば、ビッグバン以前の情報は別の宇宙に伝わることがないためである。これは、事象の地平線によって、それぞれの宇宙が分離されるためであると結論できるためである。すなわち、事象の地平線を越えて、それ以前の情報が別の宇宙に影響を与えることはないからである。スーパーストリングス理論の性質からも明らかなように、仮想粒子タキオンによって運ばれるべき情報は、タキオン凝縮機構によって、一つの宇宙にとどまる。もしも仮に、虚宇宙が存在するとすれば、それはタキオン凝縮によって圧縮され、別の宇宙のインフレーション機構をもたらすことになる。

なぜならば、虚宇宙のエネルギーそのものが、タキオン(これは、フォトンの反対の性質を持つはずである)と反バリオンとなるため、これらが圧縮されることによって、虚宇宙は無くなり、そのエネルギーは実宇宙へ移動し、CP対称性の破れによって観測される、実宇宙のバリオンをもたらすためである。もしも、これをインフレーション要因として捉えるならば、このような現象が起こりえるのは、重力である。よって、第一次インフレーション機構の原因となっているのは、重力における対称性の破れによって生じていると結論できるわけである。

実際、現在提案されている重力子ボゾンである。同じように対称性を持たない粒子として、クォーク間を結びつけるグルーオンがある。これらに関しては、フォトンと同じように、その粒子自体が反粒子の性質を持つ。つまり、第一次インフレーション機構の原因として、「真空潜熱」と成りえるものは、

  1. 重力
  2. 強い力(強い相互作用)

等の分離の時期に生じたものであると結論できるわけである。

これによって、生じたエネルギーが真空の量子トンネル効果をもたらすことによって、母体宇宙から新たなビッグバンを経て、別の宇宙が誕生する可能性があるわけである。

つまり、宇宙のエネルギー収支をきちんと測定することが可能であれば、『宇宙多重創生論』は成り立つわけである。現在のところ、熱力学の法則によれば、観測できる宇宙全体では、エネルギー保存の法則が成り立つはずであるという前提によって、全ての物理学は構築されている(宇宙原理)。今後、初期宇宙全体のエネルギー及びエントロピー(初期宇宙の大きさ)が測定されることによって、現在提唱されている超統一理論(スーパーストリングス理論・超対称性重力理論量子重力理論(正確には、量子化重力理論))の検証が行われることになるだろう。数理科学的には、この宇宙多重創生論も含めて母体となる理論が同一理論に基づくものであることが立証される可能性すら否定できない。なぜならば、「真空の揺らぎ(真空のエネルギー)」がもたらす対生成・対消滅のエネルギーによって、第二次インフレーション機構が生じているならば、ニュートリノ振動による、ニュートリノ質量を初めとした観測の結果との整合性が取れるためである。

第一次インフレーションに関しては、上に掲げたとおり、重力及び強い力の非対称性によって生じる可能性だけは重要な観点である。そして、何よりそれが、質量をもたらすヒッグス機構との関連があると考えることは妥当なためだからである。この件に関しては、今後地上においてはLHC実験やILC実験等によって明らかになるだろう。そして、天体観測の領野では、宇宙背景重力波・宇宙初期のガンマー線バーストの精密観測(宇宙赤外線輻射)等によって、明らかになっていくと思う。

量子効果が、コペンハーゲン解釈でも、特に問題はない。なぜならば、宇宙の誕生期において、スーパーストリングス理論からの帰結として波動関数の重ねあわせとも捉えることが可能なためである。よって、どちらの解釈をとっても一向にかまわないのである。これは、超対称性を加味した、超対称性重力理論や超対称性統一場理論でも同じことになると結論できるからである。現在、研究・観測・実験が行われている全ての領域で、最終的にたどり着くのは、対称性の破れによって、幸運にもこの世界は、フォトン及びバリオンが中心として成り立っていると結論できるからである。

インフレーション宇宙論では、指摘できなかったが、第2次インフレーションの原因としては、4つの力のうち、「弱い力」(弱い相互作用)の分離によるものであると結論できるのである。なぜならば、宇宙誕生から約40億年~60億年後に始まったとされる第2次インフレーション開始の時期は、巨大銀河群が形成され、その中心部にあるボイド構造の中に巨大ブラックホールが形成される。そして、この巨大ブラックホールの周辺において、量子効果が発生することによって生じる可能性があるからなのである。よって、将来ボイド構造の中心部からのニュートリノペアや電子ペアの観測が可能になったとすれば、それは「Warm/Hot Interglactic Medium」(WHIM)として観測されるだろう。また、ダークエネルギーの大半は、フォトンによるものであると結論されると思う。 なぜならば、フォトンそのものは、フォトン自身が反粒子の性質を持つためだからである(この件について疑問が提出されているが、ゲージ粒子(または、ボーズ粒子)において、対称性を持たない粒子は、現在推測もしくは観測されている粒子では、フォトン、グルーオン重力子の3種類の粒子になる。ここで重要な点は、この全てのゲージ粒子群の対称性まで検討された粒子群が存在してないことである。現実には、量子電気力学(QED)を元にしたゲージ理論が確立し、現在標準理論まで検証が行われたところである。電弱理論量子色力学(QCD)を統一した大統一理論『SU(3)×SU(2)×SU(1):なおSUとは、Synmetoric Unitaryのこと』について検証が行われているのが、2006年現在から2010年代初頭の実験物理学の状況であると理解されたい。その視座にたって、フォトンがダークエネルギーの原因であると提案するわけは、実際にWMAPによる観測結果、すばる望遠鏡による観測結果等を加味して理論計算を行うと、宇宙の大部分はフォトンで出来ていると結論できるのである。そして、そのフォトンが真空との間で行う相互作用まで検討すれば、対生成及び対消滅によって生じる粒子及び反粒子によって、生じるだろうことは明白になるためである。つまり、銀河系等が放つエネルギーの大部分はフォトンによって生じているわけであり、このエネルギーダークエネルギーの正体である可能性すら否定できないことを指摘したかっただけなのである。もしも、巨大銀河が形成され、全てがブラックホールなるとすれば、このような現象は生じない点も言い忘れたことである)。

フォトンダークエネルギーになりえる最大の理由としては、対生成及び対消滅が上げられる。これは、ご存知の通り、特殊相対性理論からの結論としての式からも明らかである。なぜならば、対生成及び対消滅のプロセスにおいて、電荷保存の法則を破る可能性もあると結論できるためである。これは、ブラックホール(特異点消滅仮説)の消滅においても存在する基本仮説であるからである。すなわち、一般相対性理論から得られる重力方程式から帰結されうるカーの解や佐藤・富松解等による、回転空間の歪を考慮したブラックホールの周辺では、事象の地平線が多重化することによって、その周辺では対生成対消滅が起こりえるためである。なぜならば、事象の地平線付近では、ポール・ディラックファインマンらの指摘のように、量子効果が生じるためである。これは、真空の量子エネルギー効果として十分に起こりえる現象であるためである。なぜならば、もしもプランクスケールで観察すれば、真空において小さなエネルギーですら、励起放出等を起こしえるためである。なお、これは統計的には極小確率で生じる可能性がある点も重要である。なぜならば、トンネル効果はある一定の閾値を超えたエネルギーによって励起される。小さなエネルギーと書いているが、平均値として観測すればの事であり、全体は正規分布に従った形でエネルギーが分散していることを観測できるはずだからである。

なお、これらは数理的に証明することができるが、観測及び実験的に証明するためには、様々な形態のブラックホールの間接観測のデータの蓄積が必要である。ガンマー線バーストを初め、X線バースト現象、紫外線領域、さらには可視光、電波等の観測を蓄積することによって、その塵の彼方にあるブラックホールの物理をキチンと検証する必要があると思う。

銀河の中心部においては、7つのブラックホールが発見され、それらが相互に固有運動を行うという極めて複雑な物理現象が起こっていることが、間接的ながら分かってきている(2004年日本天文学会 秋季大会、IAU2005年)。また、2006年7月には、宇宙の大規模構造の誕生の間接的な証拠と見られる現象が、すばる望遠鏡を活用した観測によって明らかとなった。今後は、宇宙のボイド構造にも着目した観測が求められている。なお、WMAPプロジェクトによる観測結果からも示唆されているように、宇宙の大規模構造が、インフレーション機構を生じる以前に生じた、小さな真空の揺らぎによって起こりえることが実証されつつある。

具体的には、小さな揺らぎ(プランクメートル宇宙のインフレーション参照)の揺らぎ・・といっても、これが宇宙のインフレーションによって、倍の大きさになるのである)が、重力の分離(重力非対称性)以前に生じる。この揺らぎが、第一次インフレーション期を経て宇宙の大規模構造の元になりえる。なお、第2次インフレーションに関しては、LHC実験等によって弱い力の非対称性によって生じることが実証されるだろう[誰?]

今後の課題としては、これらの観測結果を相互に結びつけ、多角的かつ多面的な観測が求められている。宇宙のボイド構造が顕著に見られるのは、南天の領域である。これまで、北半球に偏ってきた大型観測装置群では明らかにできない、新たな発見が期待されている。また、銀河中心(銀緯0度付近)に関しては、銀河の帯に従って、その背景輻射が隠されるため、宇宙の大規模構造を明らかに出来てはいない。

銀河系天文学の帰結[3]から、太陽系は銀河中心面との間で傾いている。これは、黄道や天の赤道(地球の赤道を天球面に投影したもの)と、銀河中心面が交差することからも明らかである。このことからも、銀河系についてすら、まだ良く分かっていないというのが本当の所なのである。スーパーコンピュータGRAPE)を用いた数値実験によって全体の状況は分かったが、観測して検証しない限り、科学とはいえない。理論(仮説提案)から帰結され、数値実験によって得られたデータを下にして、きちんと観測、もしくは実験をすることで確かめる。これが、科学の当たり前なのである。

その後の追記[編集]

COBEチームの論文[4]によると、カルツァ-クラインモデルに基づく超対称性を加味したストリングス理論(超弦理論)によれば、全ての粒子は対称粒子を持つことになるので、フォトンも対称粒子を持つことになる。これは、プランクハイゼンベルグニールス・ボーアディラックシュレディンガーパウリによって20世紀初頭に創始された量子力学及び、その後ワイルらによって確立された場の量子論に基づく自然の対称性によるものであるとすれば問題はない。特に、ハーバード大学の終身教授である、リサ・ランドールらによって提唱されている超弦理論の超対称性理論は、これまでになく簡単であり、かつまた、隠された次元の概念によって自発的対称性の乱れ(もしくは、自発的対称性の非保存則)以前の宇宙を説明できるのではないかと思われる。2006年11月現在、検証がきちんと終わっている分野は、標準理論までというのが、理論物理学者及び実験物理学者の共通認識であり、この領域においては、電弱理論量子色力学の二本立てて構成されているというのが正しい。この先の展開を推定することは、困難であるが、大統一理論においては、今後予定されているCERNLHC実験及び宇宙観測(HOP)、『ALMA』、さらには観測を行っていた『あかり』等の宇宙観測装置群からの観測データ及び解析結果から推定されることになるだろうと思われる。そして、その後は、NASAESAの共同プロジェクトである、LISA計画(宇宙重力波アンテナ)の観測によって、宇宙創生の謎についてきちんと検証がなされることになると思う。

脚注[編集]

  1. ^ 現在標準とされている宇宙モデル=『アインシュタイン-フリードマン-ルメールモデル』によれば、宇宙を構成する時空は4次元になる。すなわち、私達が知覚できる次元3次元+時間である。より高い次元にて、この宇宙を観測できたとすれば、初期ビッグバンは、4次元全体においてエネルギーが満ち溢れ、そのポテンシャルエネルギーによって、空間全体が一気に拡がり始めるのを観測できると推定することが可能である。あくまでも、その自己膨張は、内部からの観測によるものであり、外部からの観測は不可能なのである。これは、観測的宇宙論からも明らかであるが、宇宙膨張をもたらした情報は、外部へ伝わらないためこのような現象が観測されるのである。
  2. ^ オカルト等で提唱されているフリーエネルギーと呼ばれるものは、この値を大きく見積もりすぎである。
  3. ^ 星図やプラネタリウムで確認が可能である。
  4. ^ 2006年のノーベル物理学賞。

関連項目[編集]

参考宇宙論[編集]

重要原理[編集]

補完仮説[編集]

参考文献[編集]

  • ランダウ-リフリッツ 基本物理学教程,場の古典論 第6版,東京図書
  • 内山龍雄,一般ゲージ場序説, 岩波書店
  • 須藤靖,一般相対性理論入門,日本評論社
  • 佐藤文隆,宇宙物理 -岩波講座 現代の物理学,岩波書店
  • 佐藤勝彦,相対性理論 -岩波講座 基礎物理学,岩波書店
  • W・グライナー,量子力学概論,シュプリンガーフェアラーク東京
  • 大西直毅・市村宗武,量子力学'01,放送大学教育振興会
  • ヒッポファミリークラブ, 量子力学の冒険
  • S.W.ホーキング・R.ペンローズ, 時空の本質, 早川書房
  • S.W.Wenberg, The Quantum Theory of Fileds Vol.1.2.3, Cambridge University Press
  • P.A.M.Dirac, The Principles of Quantum Mechanics, Oxford University Press
  • Stephen.W.Hawking,The Theory of Everything -The Origin and Fate of the Universe, Dove Audio inc,
  • A.A.Abikosov,L.P.Gorkov&I.E.Dzyaloshinski,Methods of Quantum Field Theory in Stastical Physics, Dover in Prentice Hall
  • ArXiv.org

特に、astro-ph関連の論文を参照のこと

参考リンク[編集]

外部リンク[編集]