東方之星沈没事故

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東方之星沈没事故
東方之星沈没事故の位置(中華人民共和国内)
事故発生地点
事故発生地点
事故発生地点
日付中国標準時2015年6月1日 (2015-06-01)
時刻中国標準時21時32分
場所中華人民共和国の旗 中国 湖北省荊州市監利県容城鎮長江水域
座標北緯29度45分33.1秒 東経112度55分21.8秒 / 北緯29.759194度 東経112.922722度 / 29.759194; 112.922722座標: 北緯29度45分33.1秒 東経112度55分21.8秒 / 北緯29.759194度 東経112.922722度 / 29.759194; 112.922722
原因スコールライン(最悪の雷雲)に陥てダウンバーストウインドシアの一つ)に船を転覆・沈没
死者442[1]
負傷者12[1]
東方之星
長江を航行する、東方之星に似た形式の仙妮号(de:Xian Ni)、2002年
船歴
船籍 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
所有 重慶東方輪船公司[2]
母港
受注
竣工 1994年[2]
最後 2015年6月1日に沈没[2]
性能諸元
トン数 2,200トン [2]
全長 約76 m[2]
全幅 11 m[2]
全高 4階建て[2]
吃水
機関
推進器
速力 ノット (km/h)
乗員
最大搭載量
客数 定員534人[2]

東方之星沈没事故(とうほうのほしちんぼつじこ)は、2015年6月1日午後9時32分に中国湖北省荊州市監利県長江水域で発生した転覆・沈没事故である。12名が救出されるが442名が死亡となる事態となった。[3]。12月30日の調査報告書による、原因は午後9時19分にスコールライン(最悪の雷雲)に陥て、午後9時26ー32分にダウンバーストウインドシアの一つ)に押させて、船が9時31分に転覆、9時32分に沈没。[4]

概要[編集]

中国湖北省荊州市の長江で6月1日午後9時30分 (CST) 頃、乗員乗客ら458人を乗せた大型客船東方之星中国語版中国語: 东方之星ピンイン: Dōng Fāng Zhī Xīng)が転覆、沈没した。客船は重慶市の国有企業「重慶東方輪船公司」が運航しており、江蘇省南京市5月28日に出発し重慶市に向かうツアーの途中だった[5][2]

事故当時、現場付近は激しい風雨に見舞われる悪天候だった。船内では旅客が就寝準備中だったとみられるが、竜巻に巻き込まれてから1、2分で長江の北岸寄りで転覆した。救難活動が本格化したが、乗客の大半は船内に取り残されるなど行方不明となっており、警察当局は同日、救助された船長、機関長の身柄を拘束した[6]

乗っていたのは、中国国内の旅行客406人のほか、旅行会社の関係者5人、乗員47人。乗客の多くは国内旅行社が募集したツアー参加者で、50歳から80歳の年代が多かったという[5]。なお、中華人民共和国交通運輸部の発表によれば、出身地は上海市97人、江蘇省204人、浙江省11人、天津市43人、福建省19人、安徽省8人、山東省23人[7]

その後5日から船体の引き上げ活動が開始され、船内の捜索が始まった。政府はテレビで全国中継する一方、乗客の家族でさえ現場に近づけさせず、不満を募らせる一部の家族が抗議する場面もあった。作業はロープの固定などが難航し、5日午前7時すぎに開始された。2台のクレーンを使って船体を回転させ、2時間ほどで上下を元に戻した。転覆時の衝撃からか、船は屋根の一部が大きく損傷していた。その後、クレーンを1台追加して船体をつり上げ、夜には船内の捜索を始めた[8]

「東方之星」の沈没は、1948年に最大4000人が乗っていた客船「江亜(Kiangya)」が上海沖で沈没した事故以来、中国国内で最悪の船舶事故となった[9]

6月6日午前10時30分、船内の捜索活動が全て終わり、水面の遺品の捜索に移った[10]

中国当局は6月7日、同日午前11時(日本時間同日正午)までに431人の死亡が確認されたと発表した。救出された生存者は14人のままで、行方不明者は11人になっている[11]

事故原因[編集]

当局の取り調べに対し、「東方之星」の船長が6日までに「左舷からの風の勢いが突然強まりバランスを崩した。左かじを最大限きったが、風の力に対応できなかった」と当時の状況を証言した。また機関長は「甲板をパトロールして機関室に戻ったところ、大量の水が流れ込んで照明が消えた。この瞬間に転覆すると思った」と証言している。船長によると、事故直前は風速3~8メートルだった。船の速度を上げることで対応しようとしていたと説明した[12]

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b “長江の客船転覆事故、死者431人に 依然11人不明”. 朝日新聞. http://www.asahi.com/articles/ASH674556H67UHBI00F.html 
  2. ^ a b c d e f g h i “中国・長江の客船転覆、不明400人超 なお船内か”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2015年6月3日). http://www.nikkei.com/article/DGXLZO87623840T00C15A6CR8000/ 2015年6月7日閲覧。 
  3. ^ 长江翻沉客船全部442名遇难者遗体均已找到”. 新浪 (2015年6月13日). 2015年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年6月13日閲覧。
  4. ^ 國務院「東方之星」號客輪翻沉事件調查組— (2015年12月30日). ““东方之星”号客轮翻沉事件调查报告公布(全文)”. 财新网轉載国家安监总局网. オリジナルの2020年4月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200411182759/http://china.caixin.com/2015-12-30/100894532.html 
  5. ^ a b “中国・長江で乗員乗客458人乗せた客船が沈没”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2015年6月2日). https://web.archive.org/web/20150602211630/http://www.yomiuri.co.jp/world/20150602-OYT1T50043.html [リンク切れ]
  6. ^ “中国・長江で旅客船転覆、458人が乗船、生存の船長ら拘束”. 産経ニュース (産経新聞社). (2015年6月2日). https://www.sankei.com/article/20150602-4Z6MRYJIJNLDDMTEP5IIFBKTJI/ 
  7. ^ 交通部公布最新旅客数据:翻沉客船共有456人 旅客405人. 央广网 (中央人民广播电台). (2015年6月2日). http://china.cnr.cn/xwwgf/20150602/t20150602_518723169.shtml 
  8. ^ “引き起こし完了、船内捜索開始 長江転覆の死者103人”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2015年6月6日). http://www.asahi.com/articles/ASH655JV2H65UHBI01T.html 
  9. ^ “中国客船沈没、死者396人に 1948年以降最悪の船舶事故”. https://www.afpbb.com/articles/-/3050969 
  10. ^ “长江沉船客舱搜救基本结束 转入水面搜救”. https://news.haiwainet.cn/n/2015/0606/c3541083-28809253.html 
  11. ^ “長江転覆:431人の死亡を確認 上海まで捜索拡大”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2015年6月7日). オリジナルの2015年6月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150610013438/http://mainichi.jp/select/news/20150607k0000e030127000c.html 
  12. ^ “長江の客船沈没、船長「風の勢い、突然強まった」”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2015年6月6日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG05HE4_W5A600C1000000/ 

外部リンク[編集]

以下はいずれも中文ニュースサイト